八ヶ岳全山縦走

更新日:11月15日

今の時期は汗もそんなにかかず、所持する水の量が少なくていいのでロングの山行には最適。

八ヶ岳全山縦走は北から南、蓼科山から権現岳へと南下するのが人気のようだけど僕はキレットを登りたい派なので北上。

麓からは見ることが出来ない天狗尾根を擁する圧倒的な八ヶ岳の顔を北上なら拝むことができる。

ナイトハイクでのスタートは暗闇の中を木々の隙間からこちらを見つめるシカの光る目にビビる。最初の頃は異様で不気味だったがもう慣れたもの。

編笠山を経て権現岳へ。

権現岳は親しい山友には言っているのだけど八ヶ岳の中で特に好きな山。

歴史を紐解くと主峰赤岳より開山の歴史は古く、金峰山の五丈岩のように山岳信仰、特に奇岩巨岩に対する偶像崇拝が盛んだったのかなと。

確かに権現岳は遠くからその山容、巨岩を目認することが出来る。


権現岳山頂直下には「檜峰神社」の小さな祠があり、祭神は「八雷神=ヤクサノイカヅチノカミ」。八雷神は古事記や日本書紀に少し詳しいと分かるけどイザナミが黄泉の国へ行ったとき、全身が腐敗した際に出現した八つの柱。柱のそれぞれは火や土と言ったような人と密接に関わる自然の神であり、データを持ちえない時代では自然に祈り、大地の安寧を願う。

そして雷神は龍や蛇の形をしているとも言われ諏訪大社信仰、特に前宮との関係性を窺わせる。

麓の北杜まで里宮や修験道は続き、とにかく歴史を感じさせる山、八ヶ岳の象徴のように感じる。

キレットをグイグイと登り、赤岳はさっと通過し横岳へ。




ここは大好きな岩峰「二十三夜峰」。


二十三夜とはいわゆる庚申講でいう月に祈る儀式のようなもの。

僕の住んでいる茅野や諏訪地域では庚申講の石塔は良く見られていて、太古の昔から月に祈り、時期的には稲の収穫終わりなので五穀豊穣を祝う。また月は勢至菩薩と見立てられ、苦しみを払い、揺るぎ無い力を与えてくれるという。


そこから順に横岳岩峰群は日ノ岳、鉾岳、石尊峰、三叉峰と続く。

日ノ岳は日天子=観世音菩薩、鉾=独鈷杵、石尊=地蔵か十一面?、三叉=三又戟(いわゆる毘沙門天の類であり奥の院か菩薩を守る)

大同心、小同心(僧)が岩峰直下に控え、少し離れた所から「阿弥陀」岳が見守る。

八ヶ岳へ入山する者は小さな山岳マンダラへと足を踏み入れることになり、また違った形で八ヶ岳を楽しむことができる。


硫黄岳を重くなった脚で通過し、根石岳付近で日も暮れたし頭痛はするしでタイムアップ。

やっぱり昼の時間が長い夏至に近い時じゃないと無理かなと諦め桜平に下山。

桜平と言えば知って欲しいのは、唐沢鉱泉分岐の大山祇神社にある2人の女神の石像。

名前が無いので想像ではあるのだけど「山の神」である大山祇の二人娘、コノハナサクヤとイワナガヒメと勝手に考えてる。

八ヶ岳の化身イワナガヒメと富士山になぞらえられるコノハナサクヤヒメは地元に伝わる民話では仲が悪い。

そんな二人は仲良く笑って道行く登山者の安全を願っている。